webclap:無題 ダテサナver.
寝る前の一服を吸い点けて、暗闇に目を凝らす。
紅い火が一点だけ暗闇に灯りをもたらした。
最近紅いものを見ると、ヤツを思い出す。
「末期だな」
呟いてみても、その声は自嘲にしか聞こえなかった。
闇に混じることのない白い煙を吐き出して、くつくつと笑う。
しばらく逢っていない。
武田軍も動いているという噂は聞かない。
奥州も最近は落ち着いている。もうすぐ雪が降る。
動けなくなる前に、逢いに行くか。
煙管を盆に打ち付けて火を落とす。
紅い光は、軌跡を残して盆の上で消えた。
end