webclap:無題 エドロイver.
低く、艶のある声が旋律をつむぐ。
時々旋律が途切れ、代わりにやわらかい白い煙が流れてくる。
煙が流れて消えるのを目で追って、再開された音を拾う。

煙草は精神安定剤だと、無理やり押し付けた。
銀色に輝くジッポにはいたずら心に俺のコートの背中と同じフラメルを刻み込んでやった。
何も文句がないと言うことは、気に入った証拠か。いや、いつもならば嫌味の一つもなしに受け取るわけはないから、よほど気が滅入っていたか、気に入らなかったのか。
さてどっち?
聞くのも面倒で、俺は固い膝に頭を乗せて身を丸めた。

低く囁きのような歌は、俺の耳を優しくくすぐる。
ふいに髪を梳かれて、俺は目を閉じた。
優しい指と声は、俺を眠りに誘う。
この男には珍しい紫煙の香りは、なんだか違う人物に寄り添っている気持ちになる。
だけど…。このぬくもりは、俺の知ってる大佐以外のものではないと、心が知っていた。俺は、頬に落とされた許しに笑って、思考の糸を断ち切った。
かすかに掠める煙草の香り。
なんとなく…なんとなく。
「大佐、しようか」
そんな気分になった。
end


無題。歌、歌ってほしかった(笑)
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